クリア・スカイ

「……私には、駆のほかにもう一人、幼馴染の女の子がいます。気がついたときはいつも三人で遊んでいて。本当の兄弟みたいに仲が良くて、遊んでいるとあっという間に時間が過ぎていきました。私は二人には、何も隠し事はありませんでした。思ったことは言っていたし、悩みも相談していた。三人はそういう関係だと思っていたんです。……でもそうじゃなかったみたいで」


「うん」


 柳さんは、時折相槌を打ちながら、静かに私の話を聴いてくれた。それに促されるように、私はぽつぽつと自分の過去を話し続ける。二人の視線は、ずっと変わらず海を見ている。






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