天使のうた
河川敷に着くと、いつものようにいつもの所に恭介がいた。
「…恭介」
呼びかけると、振り向いてくれた。
前より短くなった髪の毛が、今まで会っていなかったことを実感させた。
恭介はぱっと顔を明るくさせた。
「優香!…良かった、もう来てくれないのかと思った」
「ううん、ごめんね」
そう言って恭介に近づくと、目が潤んでいるのが分かった。
「え、恭介…」
私がそう言うのと同時に、思い切り体を引き寄せられた。
何が起きたか分からなかった。
抱きしめられてる…?
「え、きょ、恭介…?」
顔が熱い。
「優香、よかった、もう二度と会えないかと…」
二度と?
「そんな大袈裟な…」
そう言うと恭介はなんだかハッとした様子だった。
そして私の体をバッと引き離した。
「ご、ごめん、つい」
心臓が高鳴る。