天使のうた



「えっ…!」


思わず声が出てしまった。


「えっと…菅原?どうした?」


みんな一斉に私の方を見る。
めちゃくちゃ恥ずかしい。


「ご、ごめんなさい、なんでもないです」


絶対聞き間違えじゃない。
橋本 恭介。



私がずっと、会いたかった人。




「橋本は多分四月半ばには登校してくると思うから、みんなよろしくな」



四月半ば。
今月中に、恭介に会える。



そわそわした。
胸の疼きが止まらない。



嬉しくて嬉しくて仕方がなかった。




細かいことを考える余裕なんてなくて、
毎日毎日、今日は来てるかなって期待しながら学校に来た。


亜由美にも嬉しさを伝えた。



だって、ずっと、会って、話をしたかった人物なんだもの。





とにかく私は浮かれていた。



…浮かれすぎていた、のかもしれない。





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