恋愛結婚させてください!
「医学部の合格したって言ったら、
小児科医にならなくってもいいから、バイトなんかせずに、ちゃんと勉強しろって、
お金を出してくれた。
ムギも医者にならなそうだから、用意してた金が余った。って言って。
ありがたかった。
ずっと母子家庭になってたし、
その頃、母親は再婚したばかりで、
迷惑かけたくなかったから、
お金に全然余裕なんてなかった。
借りたお金のおかげで、バイトしないで勉強だけできた。
国家試験も1回でパスできたのはコムギのオヤジのおかげだよ。
まだ、借金を少しずつ返してる途中だけど、
オヤジさんは俺が返したお金はクリニックを建て直すときに使おう
って言ってくれてる。
まあ、そういう事だ。」とトウマ君は私に説明した。

「私の知らない話ですよね。」とトウマ君を睨むと、
「おまえさー忘れてるんだろうけど、
トウマ君のお嫁さんになる〜っていっつも言ってたけど?」と私の顔をみる。
「う、うそおー。」と私は顔が赤くなる。
「タイガに聞けよ。」と卵を口に放り込んで、
「うん。美味い。卵料理が美味きゃ、他も大丈夫そうだな。」とうなずきながら、パンをかじる。

はああー。
…許婚って
まるで嘘って訳じゃなさそうだ。

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