恋愛結婚させてください!
食器を洗っていると、
ピンポンとチャイムが鳴る。
「家具が来た。そこの段ボールちょっとどけて。」
とトウマ君は私に言って、玄関に出たみたいだ。
大きな本棚とダイニングテーブルに椅子が4脚。
ソファにテレビを置くと思われる低い棚。
「コムギ、手伝え。」
とトウマ君に言われあたふたと手伝う。

…なんかいいように使われている気がするけど、
昨日の醜態とご迷惑をかけた事を思い出すと、
文句も言えない。
二日酔いで頭が痛い。
立ち止まって、ため息をつくと、
目の前に胃薬と、頭痛薬。それにミネラルウォーターが差し出される。
「ありがとう。」とトウマ君を見上げると、
「ちゃんと働いてもらわないと、片付かない。」と真面目な顔をした。

…優しいって訳じゃない。
と自分に言い聞かせて、
水をゴクゴク飲んでから、はじに寄せた段ボールを開いた。




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