恋愛結婚させてください!
「トウマ君、お邪魔だった?」と母が聞いている。
「いいえ。ムギちゃんとはいつでも会えますから。」
とトウマ君は母に笑いかける。
「よかったわねえ。ムギ。
大好きなトウマ君が帰ってきてくれて。」とウフフと母は笑う。

いや、大好きだったのは私は覚えたませんけど?

「蒼井先生が還暦を迎える前には戻ろうと決めていました。」
とトウマ君が真面目な声で言ったので、
母はすごく嬉しそうに、
「あの人ったら、トウマ君が本当に帰ってきてくれたって、
ご近所のクリニックにも自慢してたわ。」と言って、
「トウマ君、ムギの事は無理しなくっていいのよ。
他に好きな人がいるのならその人と、一緒になって。」と続けて、真面目な声で言ったけど、
「僕はムギちゃんと結婚したいと思っています。」と言ったので、
母は大きくうなずき、
「よかったわね。ムギ。」とまた言った。

いや、良くないでしょ。
私は急な展開についていけない。
ちがーう!
トウマに聞くより先に私に聞け!
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