恋愛結婚させてください!
「コムギ、俺とのこと、わからなくなってグルグル考えてるだろ。
わかりやすいよ。」とくすんと笑ってから、
「俺がコムギと結婚して、クリニックを継ぎたいって思ってるのは
本当だけど…無理に結婚したいってわけじゃないよ。
ちゃんと好きになってもらってからって思ってる。
だから、俺をちゃんと見て。付き合ってみて。
それから、また、考えよう。」とテーブルに上で私の手を握った。
私は手を払いのけることができない。
「俺ってコムギに向いてる。
毎日のように会えるし、隠したい事もない。
コムギと付き合うようになったら、他のオンナはいらないし。
スマホも見ていいよ。
まあ、仕事と、プライベートは別だから、
厳しい事も言うかもしれないけど、それはいいだろ。」
と私の顔を見てから、手を離し、食事を始めた。
「…好きにならかったらどうするの?」と聞くと、
「大丈夫だよ。コムギは俺をすきになるから。」とニッコリ笑いかける。
珍しくはっきりした笑顔にちょっと驚く。
けど、言っていることは私の気持ちを無視してるでしょ!
「馬鹿なの?」と睨むと、
「久しぶりに聞かれたな。
優秀な俺にそんな事言うヤツはいない。」と真面目な顔で私を眺める。
「だって、馬鹿じゃん。」と怒った顔で言うと、
「怒った顔も悪くない。」
と涼しい顔で美味しそうに食事を続けた。

…やっぱり馬鹿でしょ。
と私は腹立たしい気持ちでモリモリ食事を続け、
デザートも2種類平らげた。
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