恋愛結婚させてください！

サクラはトウマ君が私と付き合うっていうことを
真剣に考えいるらしい。ってことを確認出来たし、
真面目なひとらしいっていうのは、山西先生にも聞いているから、
「もう、いいや。」と酔っぱらう事にしたらしい。

すぐに酔っ払うサクラをタクシーに乗せるのは竜二さんの役目だ。
サクラは機嫌良さそうに手を振って帰って行った。
いつか、竜二さんにお持ち帰りされたいと思っているらしいけど、
その気配はまだなさそうだ。
竜二さんは10歳年下のサクラを妹みたいに思ってるみたいだし…

恋は思い通りにはならないよねぇ。

と思いながら、隣で食事をするトウマ君の顔をみる。
トウマ君はなに？と言うようにわたしの瞳を覗く。
やっぱり、イケメンだ。
眼鏡の奥の涼しい瞳は、仕事から離れると
柔らかい印象だし。

「なんで今更私と付き合いたいんですか？
『あおい小児科』は私と結婚しなくてもきっと継げますよ。
私やお兄ちゃんには継げないんだから。」
と聞くと、
「うん。俺も、そう考えてた。
オトナになったコムギに会うまでは。
コムギが笑顔や泣き顔が昔のままだったから。
良いかなって。
18年前に別れたところからもう一度始めてみても良いかなって。
そう思った。」と笑顔を見せた。

小学生の時と同じ、昔のままだって、どういう事よ？

「成長してないって事？！」と機嫌の悪い声で見上げると、

「トウマ君。とチビのコムギ。から、
芦沢 斗真と蒼井 麦として向き合いたい。」とそう言った。