恋愛結婚させてください!
翌朝恒例になってきているトウマ君のモーニングコールに出る。
「おはよう。起きてた?」と聞かれ、
「起きてたよ。これから朝ごはんを作るところ。」と返事をすると、
「ちょうど良かった。ドア開けて。」と言われる。
「ドア?」と言うと、チャイムがなって、インターフォンの画面にトウマ君の顔が映った。
「な、なんで来てるの?」と上ずった声が出る
「ここで、大声出されたくなかったら、早く開けな。」
と鼻にしわを寄せて機嫌の悪い声を出すので、
慌てて入り口ののロックを開け、とりあえず、パジャマから、部屋着に着替えていると、
ピンポンとドアのチャイムが押された。
やれやれ。
朝からどうしたの?
ドアを開けると、
「おはよう。朝ごはん一緒に食べようと思って。」
とにこりとしてコンビニの袋を私に押し付け、玄関に入ってきた。
「朝から、家庭訪問?」と機嫌の悪い顔を作ってみせると、
「コムギ、それってパジャマ?色気が足りないな。」と靴を脱いで部屋に上がり込んだ。
「けっこう片付いてるじゃん。コーヒー淹れるから、他の用意して。」とケトルに水をいれている。
ペーパードリップをする道具も新しいものを買ってきたみたいだ。
私は呆れた顔を作って、小さな2人掛けのテーブルの上を片付け、
コンビニの袋を覗くと、サンドイッチとヨーグルトが2個づつ入っていた。
私は
「野菜スープ作る。」とトウマ君の隣に立つ。トウマ君は
「毎朝食事作ってるっぽい事がリサーチできてたから、
別々に作って食べなくてもいいかなって思って。」とちょっと照れたように笑ったので、
「いいですけど。」と私もちょっと笑うと、
「追い出されなくって良かった。」と私の肩を抱いて、こめかみに唇を付けた。

朝から、止めてください。
ドキドキするんだから。
と心の中で、言って、
冷蔵庫から野菜ととベーコンを出して、コンソメスープを作った。




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