恋愛結婚させてください!
アボガドのサラダに、ネギやミョウガをたっぷり乗せた冷奴に鶏肉を使った冷やし中華。
トウマ君の作る料理は男の料理で簡単なものだけど、栄養のバランスが取れていて、
とても美味しい。
いただきますと、言った後は、黙ってもぐもぐ食べる。
「コムギ。さっきのキスの感想は?」とトウマ君が普通の声で聞くので、
ゴホッとむせながら、口を押さえて赤くなっていくのが自分でわかる。
「か、感想って言われても…」と小さな声で下を向くと、
「付き合いだして3か月経ってるんだけど、
コムギはちっとも、俺を男として見てないよな。
俺はいい加減、手を出したいって、思ってるんだけど…
だいたいさあ、前の男と寝たのって付き合って、どれくらい経ってからなわけ?
俺はお互い同意が取れればすぐに寝るんだけど?」と私の顔を見る。
「いつもは、私がすごく好きになってお付き合いが始まるので、結構早めに…」
とさらに小さな声で言うと、
「コムギ、俺を馬鹿にしてんのか?
3か月も経って、キスで固まるってどういう事だよ。」と呆れた声を出す。

ごもっともです。

「…だって、今までトウマ君はもう1人のお兄ちゃんみたいなもんで、
妹だと平気で抱きつけるのに、恋人って言われると、
どんな顔して付き合ったらいいのかよくわからなくって…
でも、そっとキスされるだけでも、ドキドキして
…さっきのは固まりました。」と怒った顔を見上げると、
「…ドキドキするんだな?」と不機嫌な顔で私の顔を見る。
私はコクコクうなずく。
「…嫌ってわけじゃないんだな?」とさらに聞くので、
さらにコクコクうなずくと、
「じゃあ、もう少し待ってやる。」とため息を吐いて、トウマ君は食事を再開した。




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