恋愛結婚させてください！

BARの前で、綺麗な女性と笑いあうトウマ君がいた。
タイトなスーツ姿がキャリアウーマン風だ。
背が高く、スタイルもいい。
短い茶色い髪、縁なしメガネがよく似合うオトナの女だ。

はー。
店に入る前に敗北決定だ。
ため息をが出る。

「コムギ。」とトウマ君が私に笑いかける。
「迷わなかったか？」とそっと肩を抱く。私がうなずくと、
「この人が俺の許婚。蒼井 麦。
こっちが同期で麻酔科医の藤堂 あかり（とうどう あかり）」と言うと、
「コンバンワ。コムギちゃん。
思った通り可愛いわ。初めて会った気がしない。」
と藤堂さんは背の低い私の顔を覗き込み、笑いかける。私は
「コンバンワ。」と緊張したまま頭を下げた。
「アカリ、余計な事を言うなよ。」
とトウマ君が藤堂さんに機嫌の悪い顔をみせる。
ふたりは仲が良さそうだな…とトウマ君の顔を確認する。
「別にいいでしょ。いきましょ、コムギちゃん。」
と藤堂さんはニコニコして私の手をとって店に入っていく。

こ、こんな展開予想してないよ。
助けて、トウマ君。と振り返ると、
苦笑いでトウマ君が付いて来ている。

どうしたらいいのー？