恋愛結婚させてください!
「みなさーん、芦沢君の許婚のコムギちゃんですよー。」
と藤堂さんは私と繋いだ手を上にあげ、ブンブン振る。
幾つかのテーブルに別れて座っている、15人位の人達に迎えられ、
「おお、若いねー。」とか
「いらっしゃい。」とか
「とうとう年貢の納めどきって奴かあ?」
とザワザワと声がかかる。

「トウマが女の子を連れてくるのは初めてなのよ。」
と藤堂さんは私に笑いかけ、
女性が多く座ってるグループの藤堂さんの隣に私を座らせる。

ここですか?と緊張すると、トウマ君がやってきて、
「コムギは俺の隣。」と私の手を掴んで立たせる。
「トウマのヤキモチ妬き。少しは離れてもいいでしょ。」と藤堂さんが笑う。
「うるさいよ。コムギはお前らと違って繊細なんだよ。」と言って、
ええええ〜と非難の声をかけられながら、私を連れ出した。

よかった。
「コムギ、泣きべそかくなよ。あいつらに悪気はないから。」
とトウマ君が私に笑いかけ、私はホッとしてうなずいた。


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