恋愛結婚させてください!
「…出張?」と私が聞くと、

「そうだよ。
世話になってた教授の付き合い。
なんだよ今の?
俺がコムギから離れるわけないだろ。
…やっと、一緒にいられるようになったのに。
俺が函館勤務になるって、そう思ったのか?
…この間、ロビーでの話。聞こえてたんだな。
気になったんだったらちゃんと聞けよ。」
と私の横に座って引き寄せ涙を拭いた。
「フゥー…」と私は呆気にとられ、
言葉がが出ないし、涙も止まらない。

「それに、…迫っていいなら早く言えよ。
俺はお兄ちゃんじゃ、なくなったか?」と私の瞳を覗く。
私はトウマ君に涙を拭かれながら頷く。
「男としてみてるんだな?」とトウマ君は私の見つめて確認する。
もう一度頷くと、
「良かった。もう、ずっとこのままになるんじゃないかと思って、スゲー怖かった。」
と私の唇に深く唇を付けた。

だいたいお兄ちゃんって思ってる人と、何度もキスなんてしないって。
トウマ君は馬鹿だな。

そう思ったけど、激しいくちづけに息も出来ない。
涙が止まる

私の小さな声がトウマ君の激しさを増すみたいだ。
くちづけに夢中になっていると、

「トウマ、続きは家でやれ。」と後ろから不機嫌なお兄ちゃんの声が聞こえた。

私達は慌てて離れる。
結構恥ずかしい。トウマ君は
「わかってる。
やっと、愛を確かめ合ってるのに邪魔しやがって。」
とクスンと私に笑いかけて立ち上がり、
「会計は付けにして。」
とちょっと恥ずかしそうに私の手を引いて、急いで店を後にした。
< 71 / 101 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop