恋愛結婚させてください!
「俺が17歳の時、久しぶりにタイガに会って、偶然コムギの画像を見た。
俺が懐かしくって見ていると、おまえら、許婚だったな。って笑って、
それから時々コムギの画像が送られてくるようになった。
ただ懐かしくて嬉しかった。
でも、その頃、受験と、うちの母親の再婚が重なった。
もちろん反対なんてしなかったよ。嬉しいと思った。
でも、ガキだったし、、周りが見えてなくなって、
俺は孤独だって思うようになって、ちょっと苦しかった。
その時、コムギの笑顔を思い出した。
写真のコムギは昔のままだって思ったよ。
思い出すと、暖かい気持ちになった。
医学部に入ってからも
落ち込んだり、辛い時にコムギの笑顔を思い出したり、写真を眺めたりした。
そんな感じ。
タイガから写真が送られてくると、嬉しかった。
コムギは俺の家族だった。何度も見たよ。」と溜息を吐いた。

「アカリを好きなになって付き合った時、
コムギは妹みたいなものだって話した。
もう、10年以上も会っていないって言ったら、納得してた。
俺も妹だってそう思ってた。
でも、そこにある最後の戴帽式の写真が送られてきた時、
アカリが一緒にいたんだ。
カメラに向かってにっこり笑いかけるコムギが写ってた。
俺はオトナになったなって、すごく驚いた。
ジーッと見つめ過ぎたんだろう。
きっと、間抜けな顔だったんだと思う。
アカリがケータイを覗き込んでも気づかないくらい
コムギの笑顔に見入ってたんだ。
アカリに『その顔は恋してる男の顔だ』って言われて、
喧嘩になった。
俺はコムギが好きなんだって、コムギに会って、
コムギと結ばれるなり、振られるなりしなければ
俺は次のオンナと向き合うことはできないんだって
アカリに怒られた。
それでアカリとはお終い。だ。3年付き合ったけど。
俺はアカリが好きなつもりでいたのにな。
俺の心の中にはコムギが住んでいる。
そう教えられた。
まあ
そういう事だ。」と、トウマ君は私の顔を見た。
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