恋愛結婚させてください!
トウマ君と暮らすようになって1ヶ月経った。
今、トウマ君は函館に出張中だ。
私は自分の部屋に戻って、片付けをしながら、
トウマ君の部屋に引っ越す準備をしている。

トウマ君の以前の上司が
1週間もトウマ君を連れて出張なんて異例な事だろう。
まあ、関連病院だという事を含めてもだ。

函館の新しいこども病院
トウマ君はまた、誘われるんだろうか?

トウマ君に函館の病院に行きたいと言われたら、
私はどうしたらいいのかなあ。

トウマ君のいない生活って
もう、考えられないよ。

4月からの事を考えてみる。
突然やった来た許婚だったけど、
許婚として出会わなかったとしても、
きっと、私はトウマ君に惹かれていったに違いない。

仕事に向かう真摯で、誠実な姿勢に加え、
メガネの奥の涼しい真面目な瞳が
柔らかく私に向けられている事に気付いてしまったら。
真っ直ぐに結ばれた硬い口元が、
時折、楽しそうに微笑む事を知ってしまったら。

トウマ君を好きななっちゃっただろうなあ。

そんなトウマ君が私を好きでいてくれた事の方が驚きだよね。
きっと、トウマ君の気持ちを知らないでいたら、
そっと憧れて見ていただけの、
幼馴染でお兄ちゃんの親友ってだっただけだろうから。

だって、オトナで出来るオトコだし。

今は、まあ、
振り向くと私の後ろに必ずいて抱きしめてくれる。
…幸せすぎるかな。

そう思いながら雑誌をまとめ、捨てる準備をした。



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