恋愛結婚させてください!
数日後、久しぶりの一緒の休みの日。
私達は好きなだけ抱き合って、
朝寝坊をした。

トウマ君は朝食(昼食かな?)後に
コーヒーを淹れてくれ、
「コムギ。」とソファーで私を呼ぶ。
私が隣に座ると、しっかり抱きしめ、

「俺はコムギを愛してる。
離れて暮らしたくない。
でも、函館の小児の専門病院で働く事は自分のレベルアップになる。
優秀な小児科医もたくさん来るんだ。
これから、クリニックを継ぐ時にも、自分の自信になるよ。
来年の4月から、2年間俺に時間をくれないか。
コムギについて来て欲しいって言うのは
俺のワガママだってわかってるから言いたくない。
コムギはここで看護師を続けたいって思ってるだろ?」と私をまっすぐに見る。

「トウマ君について行きたい。
でも、行かないよ。私はここで1人前になりたいから。」と私は涙が流れ出す。

「トウマ君がいない間。何度も考えた。
きっとトウマ君は函館で働きたいって思うだろうって、
私もついて行きたいって本当に思った。
でも、今の私じゃ、ついて行けない。
ちゃんと、1人前になって、トウマ君にふさわしい恋人になりたい。」

トウマ君が私の涙を拭う。

「俺の恋人ははコムギしかいない。
でも、俺たちの将来のためにも、
しばらくは離れて暮らすしかないって、そう、思う。
でもさあ、俺はコムギの心までは離す気は全くない。」と私に笑いかけ、

「結婚して。ムギ。」
と私を腕の中に入れたまま、ポケットから、小さな箱を取り出して、私の前で開く。
金色のシンプルな2つのリング。
きっと私と、トウマ君のモノ。
「離れて暮らすんなら、指輪くらいしてもらわないと、安心できない」とトウマ君はにっこりした。


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