デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
それに逃げたところで、行く場所なんかない。
また、悲しさと絶望感が胸に迫る。
(ほんとに、途方もないところに来ちゃったんだな…どうやったら、帰れるんだろう…)
シュリの馬に揺られながら、ぼんやりと青空に浮かぶ二つの天体を見る。
せめて、言葉が通じたら。そう思わずにいられなかった。
『王都にはどのくらいかかるんだろうな』
シュリが横で馬を進めるアスナイに聞く。
『5…いや、7日というところか』
『そんなにかかるか?来る時は4日でキトニに着いたじゃねーか』
驚くシュリに、アスナイは言う。
『それは俺とお前二人だけで日中、馬を飛ばして来たからだろ』
チラリと、シュリの前に座る黒髪の少女を見やった。
『怪我人の女を連れては同じようにはいくまい。また倒れられては困る』
このキトニの街を出たら、しばらくは大きな街はない。ひたすら馬で移動し、野宿が主になるだろう。
また、悲しさと絶望感が胸に迫る。
(ほんとに、途方もないところに来ちゃったんだな…どうやったら、帰れるんだろう…)
シュリの馬に揺られながら、ぼんやりと青空に浮かぶ二つの天体を見る。
せめて、言葉が通じたら。そう思わずにいられなかった。
『王都にはどのくらいかかるんだろうな』
シュリが横で馬を進めるアスナイに聞く。
『5…いや、7日というところか』
『そんなにかかるか?来る時は4日でキトニに着いたじゃねーか』
驚くシュリに、アスナイは言う。
『それは俺とお前二人だけで日中、馬を飛ばして来たからだろ』
チラリと、シュリの前に座る黒髪の少女を見やった。
『怪我人の女を連れては同じようにはいくまい。また倒れられては困る』
このキトニの街を出たら、しばらくは大きな街はない。ひたすら馬で移動し、野宿が主になるだろう。