デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
「お前みたいに重てえ事は言わねえよ。振られてんのに、しつこいやつだな。気ーつけろよ桜、こいつ絶対ムッツリ野郎だぜ」
「あ?お前何か勘違いしてないか?俺はもう、桜をどうかしたいとは思ってない。発散するだけなら、女には困ってないからな。桜は特別だ。俺の中で、永遠に不可侵な女なんだよ」
シュリが口をつぐんで、呆れたようなため息をついた。
(何だよこいつ……未練どころか、一生好きな女は桜だけって言ってるようなもんじゃねーか)
ポンポンと交わされる言葉の応酬についていけず、目を白黒させる桜をそっと見て思う。
ふうっ、とアスナイの大きなため息が聞こえた。
「……15……いや、10年」
「あん?」
「10年待て」
意味が分からず顔をしかめるシュリに、当然のようにアスナイは言った。
「10年後、俺は近衛長になる。その時には、我が君に近衛の頭として、お前が王都に戻れるように請願する。だから、サボらずに地方で武勲を上げておけ」
目を丸くするシュリに、くくっと笑う。
「それまでは王都の酒はお預けだ。地方の地酒を楽しんでおくんだな」
「すごい……アスナイさん!本当に?」
桜が希望に目をきらきらさせて、アスナイを見た。
ふっ、とその愛しい顔を優しく見つめて、うなずいた。
「ま、仕方ないな。女と酒の趣味だけはやたら合うバカと……生涯の最愛が喜ぶんならな」
「あ?お前何か勘違いしてないか?俺はもう、桜をどうかしたいとは思ってない。発散するだけなら、女には困ってないからな。桜は特別だ。俺の中で、永遠に不可侵な女なんだよ」
シュリが口をつぐんで、呆れたようなため息をついた。
(何だよこいつ……未練どころか、一生好きな女は桜だけって言ってるようなもんじゃねーか)
ポンポンと交わされる言葉の応酬についていけず、目を白黒させる桜をそっと見て思う。
ふうっ、とアスナイの大きなため息が聞こえた。
「……15……いや、10年」
「あん?」
「10年待て」
意味が分からず顔をしかめるシュリに、当然のようにアスナイは言った。
「10年後、俺は近衛長になる。その時には、我が君に近衛の頭として、お前が王都に戻れるように請願する。だから、サボらずに地方で武勲を上げておけ」
目を丸くするシュリに、くくっと笑う。
「それまでは王都の酒はお預けだ。地方の地酒を楽しんでおくんだな」
「すごい……アスナイさん!本当に?」
桜が希望に目をきらきらさせて、アスナイを見た。
ふっ、とその愛しい顔を優しく見つめて、うなずいた。
「ま、仕方ないな。女と酒の趣味だけはやたら合うバカと……生涯の最愛が喜ぶんならな」