デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
「えっ?」

「何だ、忘れたか?そなたが厩舎で働いて乗馬をするのを許すかわりに、庭で昼を過ごそうと」

そう言われて思いだした。

「あ……ピクニックですか」

王はうなずいて、

「明日、そなたの傷がきれいに治っていればだがな」

にこっと笑い、またそっと桜の左腕をなでた。

少しホッとして、桜も笑う。

「ええ、いいですよ。いつもの午後を過ごす感じですよね?じゃあお昼ごはんの後だから……そうだ、お茶をしましょうか。フラウさんとルネさんに相談して、私持ってきます」

「決まりだ。治っていると良いな」

「そうですね」

「ああ、その後も存分に楽しめるようにな」

「?」

どういう意味、と問う前に思いだした。

ピクニックの後は、王の部屋に泊まることになっていた事を。

「あ……!」

固まる桜。
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