デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
城門を抜けると、手前には広大な中庭があり、その奥に大きな建物がいくつか見える。
やはり中国や日本のような優美な形の屋根をしていて、この大きな土地をぐるりと高い城壁が囲っているようだった。
しかしどれだけ広いのか、敷地の奥の城壁は見えない。
(すごい………ここ……お城?)
呆気に取られていると、横の方からガラガラと車輪の音が聞こえてきた。
見ると、どこから出てきたのか馬車が一台、こちらに向かってくる。
臣下が敷地内を移動するためのもので、簡単な屋根が付いているだけの質素なものだった。
3人の前で止まり、前に乗っていた二人の青年のうちの一人がぴょこんと降りてきた。
『武官様、無事のお着き、何よりでございました。我が君から、旅で疲れているであろうから、馬車を使うようにとのお言いつけでございます。お二人の馬は私が厩舎までお届けいたしますゆえ』
ささ、と馬車へといざなった。
『おっ、優しいトコあるな、王も』
『ありがとう。頼む。……桜、乗れ』
アスナイが桜の手を取り、馬車の座席に座らせた。
『さて、このまま王の宮へ向かわれますか?』
もう一人の青年が、馬の手綱を握りながら、振り向いて尋ねた。
『いや…まずは神官に会いに行く。その後で、【衣の司】だ』
『かしこまりました。ではまず【王宮神処】へ参ります』
やっ、と御者が声を上げ、馬車が走り出した。
やはり中国や日本のような優美な形の屋根をしていて、この大きな土地をぐるりと高い城壁が囲っているようだった。
しかしどれだけ広いのか、敷地の奥の城壁は見えない。
(すごい………ここ……お城?)
呆気に取られていると、横の方からガラガラと車輪の音が聞こえてきた。
見ると、どこから出てきたのか馬車が一台、こちらに向かってくる。
臣下が敷地内を移動するためのもので、簡単な屋根が付いているだけの質素なものだった。
3人の前で止まり、前に乗っていた二人の青年のうちの一人がぴょこんと降りてきた。
『武官様、無事のお着き、何よりでございました。我が君から、旅で疲れているであろうから、馬車を使うようにとのお言いつけでございます。お二人の馬は私が厩舎までお届けいたしますゆえ』
ささ、と馬車へといざなった。
『おっ、優しいトコあるな、王も』
『ありがとう。頼む。……桜、乗れ』
アスナイが桜の手を取り、馬車の座席に座らせた。
『さて、このまま王の宮へ向かわれますか?』
もう一人の青年が、馬の手綱を握りながら、振り向いて尋ねた。
『いや…まずは神官に会いに行く。その後で、【衣の司】だ』
『かしこまりました。ではまず【王宮神処】へ参ります』
やっ、と御者が声を上げ、馬車が走り出した。