デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
ひとしきり笑ってから、スイ、と王は立ち上がった。
「では、桜。客用の部屋を用意させた。話は明日からだな。楽しみにしている………これは本当だぞ」
そう言って、そっと手を差し伸べた。
戸惑いながらその手を取る。大きくて、ひんやりとしていた。
桜を立たせた後、金髪の少年を振り返り、
「カナン。桜を客間まで案内せよ。ゆっくりと疲れが癒せるように」
「はい」
カナンと呼ばれた少年が、一つ頭を下げ、桜のもとへやってくる。
「ご案内します」
「え…」
(もう、お別れ……?)
思わずシュリとアスナイを振り返った。
二人はこちらをじっと見ているが、言葉は発しない。
「あの」
「桜様。参りましょう」
有無を言わさぬ口調で、促される。
「……っ」
(お仕事、だもんね……)
ここで話をさせてとごねても、自分は良くてもこの二人にどんな迷惑がかかるか分からない。
「…はい」
あきらめて目を伏せ、カナンに向き直る。
(お世話になりました………)
心の中で二人に頭を下げ、謁見の間を後にした。
「では、桜。客用の部屋を用意させた。話は明日からだな。楽しみにしている………これは本当だぞ」
そう言って、そっと手を差し伸べた。
戸惑いながらその手を取る。大きくて、ひんやりとしていた。
桜を立たせた後、金髪の少年を振り返り、
「カナン。桜を客間まで案内せよ。ゆっくりと疲れが癒せるように」
「はい」
カナンと呼ばれた少年が、一つ頭を下げ、桜のもとへやってくる。
「ご案内します」
「え…」
(もう、お別れ……?)
思わずシュリとアスナイを振り返った。
二人はこちらをじっと見ているが、言葉は発しない。
「あの」
「桜様。参りましょう」
有無を言わさぬ口調で、促される。
「……っ」
(お仕事、だもんね……)
ここで話をさせてとごねても、自分は良くてもこの二人にどんな迷惑がかかるか分からない。
「…はい」
あきらめて目を伏せ、カナンに向き直る。
(お世話になりました………)
心の中で二人に頭を下げ、謁見の間を後にした。