デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
人々の容姿は、一見桜たちと同じ人間で間違いなかったのだが。
赤、青、グレー。あるいは、ツートーン。
みな髪の色が濃淡明暗、様々な色をしていた。
そして、女性らしき者は簡単なワンピースにへこ帯のようなものを巻き、足元はブーツ、あるいはサンダルのようなものをはいて歩いている。
男性はTシャツや短めのチュニックに、少し緩めのパンツスタイルといったところ。
どう見ても、現代日本で一般的な服装ではない。
それが当たり前のように、みな笑ったり、大声を張り上げながら時間を過ごしている。
それが、桜にはなんとも不気味だった。
「なに…ここ…なんなの…?どこ…?」
言いようのない不安と、恐怖がじわじわと押し寄せてくる。
カタカタと、全身が震えだした。
体だけでなく、頭も急速に冷えていくようだった。