デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
明日、やっと王都に行ける。
明け方どころか、今すぐ向かいたい気分だった。
(桜、元気にやってんのかな)
何回思い浮かべたか分からない笑顔を、また思い出した。
すう、と朝の空気を吸い込んで、報告書を大切に保管するため自室に向かう。
夏空を見上げて、陽のような微笑みをその端整な顔に浮かべた。
「おぅシュリ、ニヤニヤしてどうしたんだよ」
同僚が馬を連れて、厩舎から出てきた。
「ちっとな」
「お前、明日王都に行くんだろ?大変だなおい。新米とは言え、こんな伝達係を負わされて」
「別に。楽しみだから構わねぇよ」
意外な答えに、同僚は灰色の目を丸くした。
「へえ?……王都の巨大色街目当て…じゃないよな、お前最近、コッチの方は全然付き合わねーし」
薄く笑いながら黙るシュリに、あ、と鋭い同僚は指摘した。
「ははあ………女だろ。単に金で買う女じゃなくて、将来を考える女だな」
「!」
何で分かるんだ、こいつは。
顔を真っ赤にして、驚愕して彼を見た。
「お前じゃねーんだ、だいたいわかるよ。しかしそうか…キトニからの旅でお前変わったが、そーんな相手ができてたか」
ニコニコというか、ニヤニヤというか。
生温かいその笑顔を、赤い顔でじろっと睨みつけた。
明け方どころか、今すぐ向かいたい気分だった。
(桜、元気にやってんのかな)
何回思い浮かべたか分からない笑顔を、また思い出した。
すう、と朝の空気を吸い込んで、報告書を大切に保管するため自室に向かう。
夏空を見上げて、陽のような微笑みをその端整な顔に浮かべた。
「おぅシュリ、ニヤニヤしてどうしたんだよ」
同僚が馬を連れて、厩舎から出てきた。
「ちっとな」
「お前、明日王都に行くんだろ?大変だなおい。新米とは言え、こんな伝達係を負わされて」
「別に。楽しみだから構わねぇよ」
意外な答えに、同僚は灰色の目を丸くした。
「へえ?……王都の巨大色街目当て…じゃないよな、お前最近、コッチの方は全然付き合わねーし」
薄く笑いながら黙るシュリに、あ、と鋭い同僚は指摘した。
「ははあ………女だろ。単に金で買う女じゃなくて、将来を考える女だな」
「!」
何で分かるんだ、こいつは。
顔を真っ赤にして、驚愕して彼を見た。
「お前じゃねーんだ、だいたいわかるよ。しかしそうか…キトニからの旅でお前変わったが、そーんな相手ができてたか」
ニコニコというか、ニヤニヤというか。
生温かいその笑顔を、赤い顔でじろっと睨みつけた。