デブスの不思議な旅 ~恋と変と狂愛?と~
無茶苦茶な二人の言葉に、桜は目を回しながら手を振った。

「ムリムリ無理です、何言ってるんですかお二人とも!」

「大丈夫、やり方なんてそう大して変わりませんわ」

「ややややり方って……言われても………!」

真っ赤な顔をして両手で顔を覆って下を向く桜。

その反応に、フラウが「ん?」と首を傾げた。

「……桜様。もしかしてまだ御身は清いままでいらっしゃいますの?」

「あう」

眉を下げ、目を潤ませてますます赤面する。

その様子に、二人とも目を丸くして、そして少し眩しそうに桜を見た。

「なるほど……それなら話は違ってきますわね」

「そうですわね。純潔を捧げる方は、心から好きになった方がよろしいですわ。幸せな思い出になるように」

ふふ、と優しく笑う。

思わず王の美しい顔を思い浮かべてしまう。

(わあああぁ!!やだやだ違う違う、いや違わないけど違う!!)

きゅっと目をつぶって頭を振った。

もう耳たぶまで赤くして、ごしごしと頬をこする桜を見て、二人は顔を見合わせた。

「恐れながら桜様………もうどなたかに、お心が決まっておいでですの?」

鋭い。いや自分がわかりやすすぎるのか。
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