八月のアークトゥルス。
「親友だったんだ。二人は」




「親友?」

「前野温子君とその子は唯一無二の親友だった。学校でも仲良しだって有名でね。」


「じゃあ何で、その子は孤独になって、自殺する羽目になったんですか?母さんがいたら、孤独にならずに、、今だって幸せになれたはず。。」


母さんから
その子について聞いたことはない。
本人も多分言うつもりなんてなかっただろう。

母さんはいつも僕に言っていた。

『友達は大事にするのよ。』


いじめられて帰ってくる僕に、
いつも言っていた。

僕は友達がいない。
無口だし
人付き合いが苦手だからだ。
だから遊びに誘われても断っていたし
話すことも無かった。

無視しているように見えてしまうのだろう、独りであることが僕の当たり前になった。

だから嫌われている理由は
ハッキリしている。



それでも母に
僕がいじめられていることは
言えなかった。
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