叶え、未来。〜君と僕の1ページ〜
青春への準備。
「あ、おはよ。」
教室に透明なオレンジ色の光が射す。
相変わらず、彼は口を閉じたまま。
「ひよちゃん、おはよ!
そういや昨日さ────」
静かな彼とは裏腹に、楽しそうな君。
「ひよちゃ〜ん…聞いてる?」
ごめん、全然聞いてなかった。
「ん?聞いてる、うん。」
聞いてなかった、じゃなくて
聞こえなかったんだよ。多分。
「早く席に付かないと、先生きちゃ…」
ガラ、と重たい戸を開ける音が
皆の声を遮る。
私の高校生活2年目が始まる。