MIRACLE・雨の日の陽だまり~既婚者副社長との運命の再会~
◇忘れられない人
*****
窓越しにしとしとと雨が降っている外の様子をぼうっと見入っていた。
すると背後でカチャリとガラステーブルの上に茶器を置く音が聞こえた。
「よかったら飲んで。気分が落ち着くカモミールティー」
日下さんが私にハーブティーを勧めてくれたが、その顔はいつもと同じで無表情だ。
あれから私は警察署で事件の経緯を細かく聞かれた。
いつどこであの犯人に遭遇し、なにをされたのか……
それを説明するには、されたことを再び思い出さなければいけなくて。
順を追って話しているだけで吐きそうになった。
特に……性的に身体をまさぐられたことを思い出すと。
だけど冷静に考えたら、触られた程度で済んだのは不幸中の幸いだと思う。
窓越しにしとしとと雨が降っている外の様子をぼうっと見入っていた。
すると背後でカチャリとガラステーブルの上に茶器を置く音が聞こえた。
「よかったら飲んで。気分が落ち着くカモミールティー」
日下さんが私にハーブティーを勧めてくれたが、その顔はいつもと同じで無表情だ。
あれから私は警察署で事件の経緯を細かく聞かれた。
いつどこであの犯人に遭遇し、なにをされたのか……
それを説明するには、されたことを再び思い出さなければいけなくて。
順を追って話しているだけで吐きそうになった。
特に……性的に身体をまさぐられたことを思い出すと。
だけど冷静に考えたら、触られた程度で済んだのは不幸中の幸いだと思う。