MIRACLE・雨の日の陽だまり~既婚者副社長との運命の再会~
私は彼をレジカウンターまで案内して、配送用の用紙に住所などの記入をお願いした。
そのあいだに私は売り場に戻り、とある商品の梱包に取り掛かる。
ちょうど準備が出来たころ、彼も用紙の記入を終えたので萌奈ちゃんがお会計を済ませてくれていた。
「あの……すみません……」
あとは帰るだけというタイミングを見計らい、私は彼にそっと声をかける。
「これ、よかったらどうぞ」
小さな紙袋の持ち手をずいっと彼に差し出した。中には先ほど自分で梱包した品物が入っている。
日下さんは驚く素振りを見せなかった。彼のポーカーフェイスはこんなことでは崩れない。
「……これ、何?」
「えっと、私個人からです。ハンカチのことで気を煩わせてしまいましたし、傘もたくさんお買い上げいただきましたので……」
研修施設で使うと話していたけれど、ハンカチの件があったから少しでも売り上げに貢献しようとしてくれたのだと思う。
そのあいだに私は売り場に戻り、とある商品の梱包に取り掛かる。
ちょうど準備が出来たころ、彼も用紙の記入を終えたので萌奈ちゃんがお会計を済ませてくれていた。
「あの……すみません……」
あとは帰るだけというタイミングを見計らい、私は彼にそっと声をかける。
「これ、よかったらどうぞ」
小さな紙袋の持ち手をずいっと彼に差し出した。中には先ほど自分で梱包した品物が入っている。
日下さんは驚く素振りを見せなかった。彼のポーカーフェイスはこんなことでは崩れない。
「……これ、何?」
「えっと、私個人からです。ハンカチのことで気を煩わせてしまいましたし、傘もたくさんお買い上げいただきましたので……」
研修施設で使うと話していたけれど、ハンカチの件があったから少しでも売り上げに貢献しようとしてくれたのだと思う。