MIRACLE・雨の日の陽だまり~既婚者副社長との運命の再会~
たしかに顔に出さない人はいる。
それとは逆に、怒ったり泣いたり笑ったり、隠すことなく表に出す人もいる。
個人差はあるけれど、人間はみんな感情を持っているはずだ。日下さんはあえて顔に出さないだけだと思っていた。
「言われた意味が……よくわかりません。感情がないって、どれもですか?」
「そうだ」
「日々の生活の中で自分以外の人間と接して、うれしかったり腹が立ったり、今日は気分がウキウキするとか、逆に憂鬱だとか、そういうのをすべて感じないんですか?」
「ああ。ない」
考えるまでもないと言わんばかりに、日下さんは私の質問に迷うことなく即答する。
私は呆気に取られてそれ以上言葉が出なくなった。
会うのは今日で二度目だけれど、以前会った時から起伏が穏やかな人だという印象は受けた。
だが、感情がないとはっきり自分で言ってのけるとは思ってもみなかった。
少し……いや、かなり変わった人なのかもしれない。
萌奈ちゃんがイメージしていたような、単なるお金持ちの王子様とは違うような気がしてくる。
それとは逆に、怒ったり泣いたり笑ったり、隠すことなく表に出す人もいる。
個人差はあるけれど、人間はみんな感情を持っているはずだ。日下さんはあえて顔に出さないだけだと思っていた。
「言われた意味が……よくわかりません。感情がないって、どれもですか?」
「そうだ」
「日々の生活の中で自分以外の人間と接して、うれしかったり腹が立ったり、今日は気分がウキウキするとか、逆に憂鬱だとか、そういうのをすべて感じないんですか?」
「ああ。ない」
考えるまでもないと言わんばかりに、日下さんは私の質問に迷うことなく即答する。
私は呆気に取られてそれ以上言葉が出なくなった。
会うのは今日で二度目だけれど、以前会った時から起伏が穏やかな人だという印象は受けた。
だが、感情がないとはっきり自分で言ってのけるとは思ってもみなかった。
少し……いや、かなり変わった人なのかもしれない。
萌奈ちゃんがイメージしていたような、単なるお金持ちの王子様とは違うような気がしてくる。