女子が苦手な君

「校長先生の挨拶」

「みなさんおはようございます。」

『おはようございまーす』

「一年生の皆さん入学式おめでとう……」

校長先生の話はそこから耳に入ってこなくなった。

「ん。うーん。」

「みことちゃーん?みことちゃん!みことー!!!!!」

なんだ!?なにごとだ!?

「あれ?ここは?」

目を開けたらそこは白い天井に白い布団。

「よかったー!!いきなり倒れたからびっくりしたよ!」

あぁ、またやってしまった。小さい時から緊張で倒れてしまうことがよくある。

「あぁ、ごめんね。迷惑かけて。」

「そんなことないよ!怪我なくてよかった!」

ゆづきちゃんのほうに目を向けたら隣に知らない男子が1人…

「えーと…どちら様?」

「あ、この人が運んでくれてんだよ!」

「俺、橘直輝(タチバナナオキ)。ついでに同じクラスだからよろしく。」

すごく顔が整ったイケメン。

「あ、ありがとうございます!」

「ん。無事ならそれでいいよ。俺はこれで行くわ。じゃーな。」

言っちゃった。なんかお礼したかったんだけどな。

「みことちゃんはまだ休んでなよ!私も教室に戻るね!」

「あ、うん!ありがとね!」

「いえいえ!まったねーん」

ゆづきちゃんはいい人そうだ。よかった。
< 7 / 18 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop