女子が苦手な君
「校長先生の挨拶」
「みなさんおはようございます。」
『おはようございまーす』
「一年生の皆さん入学式おめでとう……」
校長先生の話はそこから耳に入ってこなくなった。
「ん。うーん。」
「みことちゃーん?みことちゃん!みことー!!!!!」
なんだ!?なにごとだ!?
「あれ?ここは?」
目を開けたらそこは白い天井に白い布団。
「よかったー!!いきなり倒れたからびっくりしたよ!」
あぁ、またやってしまった。小さい時から緊張で倒れてしまうことがよくある。
「あぁ、ごめんね。迷惑かけて。」
「そんなことないよ!怪我なくてよかった!」
ゆづきちゃんのほうに目を向けたら隣に知らない男子が1人…
「えーと…どちら様?」
「あ、この人が運んでくれてんだよ!」
「俺、橘直輝(タチバナナオキ)。ついでに同じクラスだからよろしく。」
すごく顔が整ったイケメン。
「あ、ありがとうございます!」
「ん。無事ならそれでいいよ。俺はこれで行くわ。じゃーな。」
言っちゃった。なんかお礼したかったんだけどな。
「みことちゃんはまだ休んでなよ!私も教室に戻るね!」
「あ、うん!ありがとね!」
「いえいえ!まったねーん」
ゆづきちゃんはいい人そうだ。よかった。