【完】年下の君は眩しすぎて ~ドラちゃんには頼らない(笑)~
受付の人が部屋にいるわよと言い、
川上くんの後に続くように、
受付から一番近い、
小さく塾長室と書かれた部屋に通された。
コンコン。
「失礼します。川上です。
すいません、いきなり就業の時間に。」
川上くんがいつもの苦笑いで
塾長なのであろう、
パソコンの前で座って
何やら書いている男性に向かって挨拶した。
「んー、お疲れー。どうした?忘れ物かー?」
塾長というので、もっとキビキビした
怖そな人を想像していたが、
優しそうな物腰が落ち着いている、
それでも良く通る声のおじさんだった。
「いや、えっと、
ここ今バイト募集してるんですか?
夏期講習の事務みたいですが。
タウン誌見たら載ってたんで。」
川上くんが塾長に向かって問いかける。
「あー、今月募集載せたんだ。
山本さんが子供怪我したって言ってただろ、
だから夏から秋、長くて冬っていってたかな。
そのくらいまで休みが欲しいらしくてさ。
子供の部活やらで送迎すんだって。
だからその間の、事務。夏期講習もあるしな。」
あーなるほどと、
川上くんは頷きながら塾長と話ている。
「それがとうした?……後ろの彼女は関係してるのかな?」
私の事など気にしてもいなかった塾長が
ニコッと笑ながら
こちらを向いた。