君は僕の光
「それにしてもずいぶん立派な帽子だね」

「え?」

「なんかマダムが被る帽子みたいじゃん。君、まだ若いでしょ?」


男の人は笑った。



「君、いくつ?」

「…15歳です」

「今年高校一年生?」

「はい」

「じゃあ俺の一個下だ!君も日高高校でしょ?この辺はそこしか高校ないし」


お母さんが言ってた、この町の高校のことだろうか。



「…高校は通信なんです」

「…あ、そうなんだ。普通の高校には通わないの?」



随分とストレートに聞いてくるなあ。


もう、帰りたい…。



「ちょっと色々あって。じゃ、わたしはこれで」


話を切り上げて、帰ろうとした。

すると…


「待って!」
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