君は僕の光
急いで帽子を深くかぶり直す。


取り繕ったように、蛍に声を掛けた。



「あ、すごく綺麗…だね」


蛍はこっちを向いて、微笑んだ。


そして、また向日葵畑を見つめる。



「やっぱり、綺麗なんだ」


蛍がポツリと呟く。



…え?


「どういうこと…?」


「俺ね、ほとんど目が見えないんだ」



……………え?



「で、でも普通に歩けて…」

「明るさとか暗さとか、あと物の大まかな形はなんとなく分かるんだけどね。でも色は分からないし、人の顔も暗い影にしか見えない」



蛍が微笑んだ。



「だからね、正直ひかりの顔も分からないんだ」



…!


思いもよらない言葉に、目を見開いた。









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