君は僕の光
…あ。


そういえば、私の顔を見たんじゃないかって時が何度かあったけど、蛍は無反応だった。



そうか、私の顔も見えないから、蛍は私のこと避けないでくれるんだ。



「で、でも何も持たずに歩いて危なくないの?杖とか」

「ああ、この公園と、家から公園までは昔から何度も来てるから見えなくてもなんとなく歩けるんだ。でもそれ以外の場所は白杖(はくじょう)っていう杖がないととても歩けなくて」



蛍は笑う。


不思議だった。



なんで?


なんで笑ってられるの?



目が見えないのに…。


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