君は僕の光

「じゃあ引っ越し記念にかんぱーい!」

「…かんぱーい」



まだダンボールやら片付いてないものはあるけれど、なんとか住める状態にはなった。


もう日も暮れたから、夕ごはんを食べることになった。


乾杯ドリンクは、麦茶。



外からは、虫の鳴き声が聞こえる。



「ここはほんと心地いい場所ね。引っ越してきて正解よ」


「…お母さん」


「なあに?」


「ごめんね」



お母さんは呆れたようにため息をついた。



「もー、何回言わせるのよ。何にも謝ることなんてないんだから!お母さん在宅ワークだし、全国どこ行ったってやってけるのよ?それに、こんないい場所にこられたじゃないの!ほら、食べなさい!」



お母さんは、ニコッと笑った。



お母さんは、すごく優しい。



私のせいで、引っ越すことになったのに。
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