君は僕の光
蛍の歌声は透き通ってすごく綺麗だった。


ギターを弾きながら歌うのってすごく難しそう。



でも、軽やかで、楽しそう…。



「♪…。どう?」


蛍が無邪気に笑う。


「よ、よく覚えたね…」

「ひかりこの前、歌詞書いた紙忘れてったでしょ?」


蛍はそう言って私の歌詞のメモを差し出した。


そう言えば、持って帰った記憶がないや…。



「さすがに一度聴いただけじゃ覚えきれなくて、家に帰って親に歌詞を読んでもらって点字にして、それで覚えたんだ。どうしても歌えるようになりたくて」


私が書いた歌詞を、覚えてくれるなんて…。



少し感動した。


「蛍って、歌も上手なんだね」

「ひかりには敵わないけどね」

「私はそんな…」

「ううん、俺はひかりの歌声が好き」


ドキン。


蛍は優しそうに笑う。



「だからさ、また歌声聴かせてよ。俺また新しい曲考えるから、歌詞もまた考えてよ。お願い」



鼓動が早くなる。


なんなんだろう、蛍の笑顔を見ると、胸が変な感じになって…。



「…うん」



また蛍は嬉しそうに笑った。


なんだろう、この不思議な感じ…。
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