TRUE
one
「セイナ〜!あんた登校初日から遅刻する気っ?!」

ガバっと、音がした瞬間、周囲がまぶしくなった。
お母さんが部屋から去ってすぐ起きて時計を見たわたしは、びっくりしすぎて固まった。
起きる予定だった時間より30分も寝坊してしまったのだ。

わたしは転ぶんじゃないか?というほどの勢いで階段を駆け下り、真新しい制服に勢いよく腕を通した。
本当だったら、「この制服がずっと着たかったんだよ〜♡」などと、うぬぼれている時間があったはずなのに…

もう!お母さん!なんでもっと早く起こしてくれなかったんだよ!!

口に出していってしまったら、きっと引き止められてお説教。
そんな時間なんて今のわたしにあるはずないので、今日は心の中でブツブツ言っておこう。
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