愛されたい、だけなのに






「マナ、おはよ!」

「蘭・・・おはよ」

朝、学校に登校すると昇降口で蘭と会った。


「圭吾に、謝れた?」

ドキ。

「ううん・・・タイミングが合わなくて」

違う。本当は、言葉が出ない。


「あぁ、確かに・・・あれじゃねぇ・・・」

蘭が見た方向にはー・・・

「圭吾、おはよ!」

「今来たの?先生がこんなに遅くていいの?」

「朝から元気だなぁ・・・今日は職員会議ないから遅くていいの」

昇降口には、柳先生といつもの光景がー・・・


あれ・・・



「ずっと囲まれてるから、話すのは無理そうだね」


私より1時間も早く出たのに、今来たの?


「まぁ・・・圭吾も気にしてなさそうだし。やっぱ、謝らなくていいんじゃない?」


どうして?

「マナ?」

「!」

「どうしたの?」

「え・・・あ・・・ううん。何でもない」

「そう?」



柳先生が何してようが、私には関係ないよね。










< 153 / 397 >

この作品をシェア

pagetop