愛されたい、だけなのに
「櫻井!」
ドキ。
「あー!榊原!!マナに何のよう??」
名前を呼ばれた方向を見ると、一人の男子生徒がいた。
「マナをフッたくせに!今さら何の用よ?」
「・・・」
榊原という男子生徒は、前に柳先生の目の前で振られた一人。
「あのさ、またやり直せないかなぁって思って」
「は!?何、都合の良いこと言ってんの!?無理に決まってんじゃん!ねぇ、マナ!!」
「え・・・あ、うん」
何か色々あって、この人のことあんまり覚えてないんだけど・・・
「何だよ、櫻井は誰でもいいんじゃねぇのかよ?」
「!」
「どういう意味よ!?」
「櫻井ならヤラしてくれるんじゃねぇかって・・・」
「!?」
ヤラしてくれるんじゃねぇかってー・・・
「ちょっと!何てこと言うのよ!?ぶんなぐ・・・」
「お前ら、もう朝のSHR始まるんだけど」
「!」
榊原の背後から、柳先生が現れた。
今の、聞いてたー・・・?
「ほら、教室戻れ。榊原は、俺が教室まで送ってやるよ」
不適な笑みを見せながら柳先生は、榊原と行ってしまった。
「あー!もう!榊原のヤツ!!後でボコボコにしてやる!」
廊下を音を立てながら歩く、蘭。
その後を黙って付いて行く。