愛されたい、だけなのに



「・・・はぁー」


枕に顔を埋め、長い溜め息をついた。


確かに私に何かあったら、保護者代わりをしている柳先生の責任になってしまうかもしれない。


けど、あの親が心配なんかするわけないし…私に何かあってあの親が何か言ってきたら、柳先生にただ責任転換しているだけとしか思えない。


だって、私は捨てられたんだ。





コンコン。

「!」

部屋のドアがノックされた。


「…櫻井」

ドア越しに柳先生の声が聞こえる。



「…」


「今度から遅くなるようだったら、連絡だけでもしてほしい。俺が心配だからさ」


¨俺が心配だから¨


「何かあったかと思って気になって、落ち着かなかったんだぞ」


柳先生が、私のことをー…?


「後、ごめんな。俺の言ったこと、気にしなくていいから」


「…っ」


何で、柳先生はー…


「じゃあ、おやすみ」



ドア越しに聞こえていた声が聞こえなくなり、隣の部屋のドアが閉まった音が聞こえた。



「ふ…っ」


その音と同時に、涙がでた。








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