愛されたい、だけなのに
「櫻井!こっち、こっち」
着信の相手は、榊原だった。
「悪いな。急にマネージャーが熱出してさ、困ってたんだよ」
「ううん・・・」
電話で、部活のマネージャーが休んで困ってるから手伝ってくれないか?と、言われた。
学校のプールまで来て欲しいと言われ、今気付いたんだけどー・・・
「手当たり次第に電話したんだけど、誰も捕まんなくてさ」
榊原が水泳部だったことを初めて知った。
「夏の大会近いから、タイム計って欲しいんだ。ここにタイムを書いて・・・」
辺りを見渡すと榊原以外は、いないみたい。
「・・・そんな警戒しなくても、何もしないよ」
「え?・・・あ」
゙ヤラしてくれるんじゃねぇかって ゙
昨日言われたことを思い出した。
「昨日あの後、圭吾に怒られてさ」
柳先生に?
「 ゙あんなこと二度と言うなよ。次に言ったら、お前のありもしない噂を女子生徒に流してやる ゙って、圭吾は女子生徒への影響力がどれだけスゴいか、アイツわかってんのか?」
身震いしながら、話す榊原。
「そんな噂流されちゃ、俺は卒業まで学校で彼女できんわ」
「・・・あはは」
私の知らないとこでも、柳先生はー・・・
「笑いごとじゃ・・・」
「本当、スゴいなー・・・」
私のことを考えて、動いてくれてる。