愛されたい、だけなのに





「あー、腹減った」

榊原がプールから上がった。


「今日はもう終わり。櫻井、ありがとな」


「あ、うん。じゃあ・・・」

私は帰ろうー・・・


「!」

急に腕を捕まれた。


「昼飯食べに行こう?お礼に奢るし」

「え・・・いいよ」

「休みなのに手伝ってくれたからさ、奢らないと俺の気が済まない」

「私は気にしてないし・・・それに・・・」

柳先生に、伝えたい言葉がー・・・



「!」

腕を離そうとしても、離れない。



「櫻井、やっぱ俺とー・・・」


「そこまでだ」

「!」

「!?」

榊原が掴んでいた手、誰かによってが離された。




「見守ってるだけにしようと思ったが、ここまでだ。榊原」



マナと榊原の間に入ったのは、柳先生だった。



「圭吾っ!?」













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