愛されたい、だけなのに




「ほら、榊原は早く帰れ。櫻井は、俺が用あるんだよ」

「圭吾、そうやって言って生徒に手を出すんじゃ・・・」

「お前と一緒にするな。それとも、噂流されたいのか?」

「や・・・やめろよ!お前の影響力すげぇんだから」

「わかったなら、早く帰れ」

「ちっ・・・わかったよ。じゃあ、櫻井!ありがとな」

「!」

榊原にお礼を言われ、柳先生の背中から顔だけ出し ゙うん ゙とだけ答えた。




「本当、アイツはどうしようもないな」

榊原が帰った後、柳先生が溜め息混じりにそう言った。


「櫻井、俺まだ・・・」

「柳先生、そのまま聞いてください」

振り返ろうとした柳先生の身体を、制止させた。



今なら、言えるー・・・



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