愛されたい、だけなのに
無事に大会も終わり、その帰り道。
「あー!!悔しい!後、もう少しだったのに」
榊原の結果は、準優勝だった。
「次の大会では、絶対優勝してやる」
「頑張って」
「おう!」
榊原が水泳が得意で、こんなに熱い人だったなんて知らなかった。
一応、1ヶ月付き合っていたんだけど…水泳部だったってことすら知らなかったし。
というかー…
興味がなかったから、知ろうともしなかっただけか。
今思うと、なんか失礼だったようなー…
「櫻井、ありがとな。休みなのに、付き合ってくれて」
「あ、うん」
「何か、お礼しないといけないよな。んー…あ、夕飯食べて帰ろうぜ?奢るし」
「え?いいよ。気にしないで」
「俺は気にする。ファミレスでいい?」
「え…あ、うん」
「じゃあ、行こう」
¨うん¨って、言っちゃったよー…
こんなに強引な人だということも、知らなかった。
あと、何だろ?榊原のこと…
「あ…」
別れるときに言われた言葉を思い出した。