愛されたい、だけなのに








「あー…蘭の押しの強さにはかなわないな」



その日の夜、久しぶりに柳先生と夕飯を一緒に食べている。


「そうですね」

苦笑いで答えるしかない。

「櫻井は良かったのか?旅行」

「え?」

「榊原も行くことになっちゃったけど、良かったのかなって」

「あ、はい。前のことは謝ってくれましたし。もう気にしてません」

「そっか。なら良かった」

「柳先生こそ、旅行いくこと良かったんですか?」

「あー…まぁ、うん。大丈夫だろう。蘭には、県外にするように言っといて。交通手段は、俺が車出すし」

「あ、はい」


そう言うと、柳先生は立ち上がり食べた食器を台所に片づけに行った。




そして、いつもの通り自室に戻って行った。









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