愛されたい、だけなのに
今の柳先生は、すごく優しい。
けど、家での柳先生は少し冷たいというか…一線を引かれているような気がする。
学校でも家でもずっと一緒だと、やっぱり嫌になっちゃうよね。
「あーーー!!マナばっかりずるい!!!」
蘭と榊原が、戻ってきた。
「そろそろ行くか?」
「あ、はい」
柳先生が立ち上がると、慌てて立ち上がった。
「ちょっと、私を滝の前に置き去りにしてマナとイチャイチャしてたなんて、許せないんですけど」
「はいはい」
「圭吾、聞いてる!?」
柳先生と蘭は先に行ってしまった。
蘭、怒ってるかな?
「俺を追い出してイチャイチャしてたのか」
「!」
溜め息をつきながら、隣に立ったのは榊原。
イチャイチャって…
「やっぱ、圭吾と付き合ってんのって櫻井なの?」
「違うってば…」
「圭吾は確かに女子には優しいけど、一線引いてるの丸わかりじゃん?なのに、櫻井に対してだけは、少し違う気がする」
そっか…やっぱり、一線ひいてるのかー…
「マナー?榊原!置いてくよ!?」
車から、蘭が呼んでいる。
「今行く!大丈夫?櫻井」
「うん」
榊原と一緒に車へと向かった。