愛されたい、だけなのに





今の柳先生は、すごく優しい。

けど、家での柳先生は少し冷たいというか…一線を引かれているような気がする。


学校でも家でもずっと一緒だと、やっぱり嫌になっちゃうよね。






「あーーー!!マナばっかりずるい!!!」


蘭と榊原が、戻ってきた。


「そろそろ行くか?」

「あ、はい」

柳先生が立ち上がると、慌てて立ち上がった。


「ちょっと、私を滝の前に置き去りにしてマナとイチャイチャしてたなんて、許せないんですけど」

「はいはい」

「圭吾、聞いてる!?」


柳先生と蘭は先に行ってしまった。


蘭、怒ってるかな?




「俺を追い出してイチャイチャしてたのか」

「!」

溜め息をつきながら、隣に立ったのは榊原。


イチャイチャって…



「やっぱ、圭吾と付き合ってんのって櫻井なの?」

「違うってば…」

「圭吾は確かに女子には優しいけど、一線引いてるの丸わかりじゃん?なのに、櫻井に対してだけは、少し違う気がする」



そっか…やっぱり、一線ひいてるのかー…




「マナー?榊原!置いてくよ!?」

車から、蘭が呼んでいる。



「今行く!大丈夫?櫻井」

「うん」


榊原と一緒に車へと向かった。





< 205 / 397 >

この作品をシェア

pagetop