愛されたい、だけなのに
30分後、旅館に到着した。
「えー!?部屋が一部屋しかない??」
チェックインをしにフロントに行った蘭の声が、響き渡った。
「はい。申し訳ございません。こちらの手違いで、部屋を一部屋しか予約しておりませんでした」
「えー・・・」
「お詫びとして、ワンランク上の露天風呂付きのお部屋にご案内させていただきます」
「露天風呂付き!?」
「はい。それでよろしければ・・・」
「いいです!お願いします!」
フロントから蘭が戻ってくると、とてもご機嫌だった。
「なんか、手違いで一部屋しか予約できてなかったんだって。その代わり、露天風呂付きの部屋にしてくれるって!」
満面の笑みで興奮気味に話す、蘭。
「ってことは、4人一緒の部屋?」
榊原が聞いた。
「お前、本当に二部屋予約したのか?」
柳先生が怪しいという目で、蘭を見ている。
「したよ!向こうの手違いって言ってるじゃん!!疑うなんて、ヒドイ。ね、マナ!」
「うん」
「もう、行こう!」
蘭に引っ張られ、部屋に向かう。
そのあとを、柳先生と榊原が、ついてくる。
この4人で、一晩過ごすのかー・・・