愛されたい、だけなのに



「さぁー、飯も食ったし、温泉でも入ってくるかぁー」


食事を終えた榊原が、そう言いながら立ち上がった。

「マナ、私たちも行こう?」

「うん」

「じゃあ、俺も…」


3人が立ち上がって温泉に行く準備をしている中ー…


「圭吾はダメ!」


柳先生だけは、蘭が制止させた。



「は?何で?」

ちょっとイラッとした表情で蘭を睨む、柳先生。


「圭吾が来たら、ただの餌でしょー!?」

「は?」

「圭吾は部屋の露天風呂を使えばいいの!!部屋から一歩も出ちゃダメ!!」

「だから、なんで…」

「榊原、マナ行くよ!!圭吾、もし部屋から出たら皆にこの旅行のこと言うからね!!」


部屋中に響く声で蘭が言うと、榊原とマナの腕を引っ張り部屋から出た。




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