愛されたい、だけなのに
「もー!榊原とマナ、遅いー」
「!」
部屋に戻ると、蘭が抱き付いてきた。
「榊原に何かされたかと思って心配してたんだよ!?ね、圭吾!!」
ドキ。
・・・・ダメ。
「あぁ。何かあったのか?」
感情を出すな。
「・・・何もありません」
スッと蘭と身体を離した。
「マナ?」
「蘭、心配かけてごめんね。じゃあ、私先に寝るね」
「ちょ・・・マナ?!」
背後で蘭の呼び止める声が聞こえたが、聞こえないフリをして寝室の部屋の襖を閉めた。
「…ふっ」
だって、何かもうー…
限界だったから。