愛されたい、だけなのに
「蘭、悪い。今日は一人で帰ってくれ。俺は、櫻井と話があるんだ」
柳先生が蘭に向かってそう言った。
「柳先生!そんなことを言ってる場合じゃないでしょ!?今すぐこの生徒も一緒に校長のとこに行って…」
「校長への報告は、北川先生1人で行ってください。後、本当にいい加減どっか行ってくれませんか?」
「なんですって!?」
柳先生と北川先生が揉めている。
蘭は、唖然と立ち尽くしている。
こんな風にしたのは、私。
「柳先生、あなた本当に懲戒免職ですよ!?」
全部、全部…私が悪い。
「…私が学校辞めます」
私一人の問題が、こんなに大きい問題にしてしまった。
「え?」
私の発言にイチバンに反応したのは柳先生だった。
「…蘭、今まで黙っててごめん」
目の前にいる蘭にそう告げたが、蘭は言わない。
当たり前だ…私は蘭を裏切っていたんだから。
「柳先生も…今まで色々とすいませんでした」
「おい、櫻井…」
「じゃあ、帰ります」
帰る家もないのに。
「おい!!櫻井!!」
行くあてもないのに。
「行くな!櫻井!!」
とりあえず、柳先生の声が聞こえない場所まで行きたい。